屋根防水改修の下地は、押え層と露出防水の二つに分かれています。
押え層を有する場合は、押え層と防水層の双方を撤去する方法と、防水層を残す方法とが考えられますが、押え層を撤去し、新たに押え層を設ける場合は、原則として、アスファルト防水工法が良いとされています。
すべての既存防水層については、原則として、露出の場合の屋根防水工法における既存防水層の立ち上がりやルーフドレン廻りは、完全撤去が必要です。ただし、平部の防水層については、現場の状況に応じて判断します。
既存防水層が露出アスファルト防水の場合は、撤去するしないに関わらず(絶縁工法は前面撤去)、再度アスファルト防水層の処理をするのが最も標準的な工法です。特に既存防水層を残した場合は、下地活性剤フローコート塗布、アスファルト防水により、緊密な一体化によって高い信頼性が得られます。
既存防水層が塩ビ系合成高分子ルーフィングの場合は、撤去するのが標準です。また、既存防水層が塗膜防水の場合は、浮いた部分を撤去し、付着部分を残します。
改修後の防水層に要求される耐久性能が新築当初より高い場合とは、露出防水を押えコンクリート有りの保護防水層にする場合や、合成高分子ルーフィング防水、または、塗膜防水をアスファルト露出防水にする場合等を言います。ただし、上記の露出防水を保護防水にレベルアップする場合には、構造設計上の再検討が必要です。(建設大臣官房長営繕部建築改修設計指針参照)